BGC駐在日記

フィリピンのフォート・ボニファシオ(BGC)での生活の記録です。

大人の遠足

7 時に一度目が覚めたが、もう少し回復させたくて二度寝。寒いのか、深く眠れていないようだ。エアコンは切っているが、寝入りばなにブランケットをはねのけてしまうらしい。9 時前に起床。今日は上司のAさんとマカティに行く約束をしているので、身支度を済ませてAさんのコンドミニアムに向かう。ロビーに着いてもまだAさんはおらず、ガードマンやコンシェルジュに色々説明する羽目になった。一応部屋番号を聞いておいて良かった。しかし、まだAさんは引っ越して間もないからか、コンシェルジュもガードマンも、「誰だそれ?」という反応。「先週引っ越したんだよ」とか言って、とりあえず信じてもらえたようで、ロビーの椅子を勧められた。ま、セキュリティがしっかりしているのは良いことだ。今の私の滞在先は、かなり緩い感じだし。でもAさんは、そこが気に入っていたとのこと。

今回も配車サービス Grab を使って、マカティへの移動手段を確保。前回はシェア・ライドだったから 131 ペソで済んだが、今回は単体だったので 269 ペソ(570 円)。それでも、日本のタクシーに比べれば随分安いし、安全・確実に目的地まで行けるのはありがたい。日曜日ということで渋滞もなく、30 分もかからずに最初の目的地である Little Tokyo に到着。私は先週来ているので驚かないが、初めて BGC の外に出たAさんは勿論初めてなので、余りの「何もなさ」に戸惑っている。それはそうだろう…。一応、Little Tokyo のハイライトらしきところに案内して、こんなもんだ、ということを納得してもらった。ただ、在りし日のフィリピン、日本人や日本食レストランが極端に少なかった頃は、日本語だらけのこの小さな空間が、孤独な日本人企業戦士たちを癒したのかもしれない。

Little Tokyo に満足した(?)私たちは、隣接する「Makati Square」という、古びたモールのような複合施設を訪れた。今日のメインイベントの、実銃射撃体験のためだ。私はサイパンで、Aさんはグアムで一度撃ったことがあるが、それだけだ。今回マカティで実銃が打てるという情報を事前に得ていたので、Aさんを誘ったのだ。私は大体何でも躊躇なく一人でできる性分だが、ちょっとこれに関してはややハードルを感じていたので、Aさんが乗り気で良かった(正確に言えば、乗り気のようには別に見えなかったが、内心は乗り気だったと私が勝手に信じている)。

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ARMSCOR Shooting Center の様子、写っている女の子は中々上手だった

料金は、50 発で 1,500 ペソ(3,150 円)。銃は選べず、セミオートマチックのハンドガン。詳しくないので、何という名前かは分からないが、真っ黒でオーソドックスなやつだと思う。結構待っている人たちがいたようで、結局 1 時間くらい待っていた気がする。ところで、フィリピンの店員、特にレジ打ちの類の人は、客がどれだけ長蛇の列を作っていようが、急いだり応援を呼んだりはしない。急ぐそぶりもなく、基本的には不機嫌な様子に見える。しかしこれは、よく考えたら日本の方が異常なのかもしれない。何せ、客を待たせないように彼・彼女らが急いだところで、彼・彼女らの給料が上がるわけではなく、それどころか、忙しくなるのだ。そんなことをするメリットは全くない、ということではないだろうか。自分の得になること、自分がやりたいことをやるのがフィリピン流だという、現地スタッフのEが言っていたのはこういうことか。そんな彼らも、家族・身内・親しい友人のためにはかなり献身的だというので、動物的と言うか、自然だと思えば怒りも沸かない。日本人の方がおかしいのかもしれない。

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実銃も販売していて、一定の条件(外国人は無理)を満たせば護身用に買える

ようやく私とAさんの順番が回ってきた。シューティンググラスとイヤーマフ(大きな音から耳を守る)を渡され、インストラクターに連れられてシューティングレンジに入る。パンッ!と大きな音がして、イヤーマフをしていてもビックリする。シューティンググラスは、当然実弾から目を守ることはできないが、銃から飛び出す薬莢から目を守るためだろう。眼鏡の上からもかけられる(というか、今日はシューティンググラスの邪魔になりにくい眼鏡を選んで掛けてきた)。当然、インストラクターは英語で説明するので、先に私が撃つことにする。実銃はやはり重い。両手で持つように指導される。まずは弾を込めずに空撃ちで練習。撃鉄が重い。ドキドキしてきた。いよいよ実弾が込められ、人型を模した紙の的に向かって撃つ。パン!という乾いた音がして、薬莢が横に飛ぶ。撃った反動が物凄い。正直、これを連射できる気がしない。連射しても、二発目以降は、全然狙ったところに飛ばないだろう。しかも、続けて撃っていると、反動でグリップを握っている手が痛くなってくる。映画などで、片手でマグナムを何発も撃っていたりするが、あれは恵まれた体躯と、相当な修練が必要な技術だと思う。

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50 発撃った結果…

上の写真が、50 発撃った後の結果だが、多分、我ながらめちゃめちゃ上手い。待っている間、色々な人のターゲットを見たし、Aさんの結果も見たが、集弾性が全然違う(参考)。昔から、射撃やアーチェリーの類が上手だったので、多分今回もそうだろうな、と思っていたら、やっぱりそうだった。のび太のようだ(彼は射撃とあやとりだけはプロ級だ)。インストラクターもしきりに褒めていた。でもこのスキルは、生きていく上で全然役に立たないなぁ。サバゲーは、落ち着いて的を撃つ状況ではないからスキルを発揮できないし。ちなみに、Aさんも周りから比べたら結構上手な方だった。

射撃を終えた後は、先週私が見つけた日曜市を冷やかしてから、Geenbelt Mall に行き、インド料理屋「Queens at Bollywood」で、フィッシュカレーとガーリックナン、そしてパイナップルラッシーを頼む。全部で 800 ペソ弱(1,600 円)。中々美味しくて良かった。食後は、しばらくその辺りをぶらぶらして、今度はAさんが Grab を使って配車してみる。ところが、自分たちの現在地を伝えそこなったようで、急きょ私が運転手とチャットでやり取りすることになった。なんとかこちらの現在地を伝えて、拾ってもらえたが、運転手には悪いことをした。チップを多めに払って、謝罪の気持ちを表しておいた(Aさんが、だけど)。

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SM Aura のフードコートにある「CRAFT SALAD」

一旦コンドミニアムに戻って、夕食を食べに SM Aura に出かける。今回は何とかフードコート内に空き席を見つけられたので、「CRAFT SALAD」で "TOKYO" という名前のサラダを食べる。270 ペソ(570 円)。レタスが中心で、サーモンのボイル?が入ったサラダだ。何故これを選んだかというと、それ以外のサラダには、やたらとフルーツが入っているからだ。フィリピンのサラダには、フルーツが入っていることが多い。私はサラダにフルーツが入っているのを好まないので、フルーツが入っていないものを探したら、これになったというわけ。日本では、サラダにあまりフルーツは入れない。

食事のあとは、SM Aura と Market! Market! 内の散歩。Market! Market! 内にあるウォールクライミングのレギュレーションと料金を確認。1 登攀 50 ペソ、無限登攀が 340 ペソ…だったかな。挑戦したいが、衆人環視のフィールドなのが、ちょっと気後れする。ついでに、日本で作っておいた住信 SBI ネット銀行の国際キャッシュカードを使って、BPI (Bank of the Philippine Islands)の ATM から引き落とす実験。英語が分からないと、途中に出てくる質問に戸惑うと思うが、基本的には難しくなかった。引き出す現金は、1,000 ペソ、2,000 ペソ、5,000 ペソ、10,000 ペソしか選べない(と思う)。手数料は、1,000 ペソの引き出しは試していないが、それ以外の手数料はどれも 250 ペソだった。今回実際に引き落としたのは 2,000 ペソで、手数料を含めると 2,250 ペソ。日本の口座からは 4,848 円引き落とされていたので、2.155 円のレートだったということになる。もし 10,000 ペソを引き落としたら、22,086 円請求されたのだろう。つまり、実質的に 2.2 円程度で両替していることになる。これは、当然市井の両替屋(2.08 円程度)に比べたらレートが悪いが、中部国際空港(2.59 円)に比べたら随分と良いレートだと言える。両替のために Market! Market! まで行く手間を 1,300 円程度で省けるなら、ありえない選択でもなさそうだ(時と場合による)。

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チャイティーラテとシュガードーナツ、名前が Kent になっているのはご愛嬌

その後、スターバックスに移動して、ブログを書いたり、妻とチャットしたり。シュガードーナツ(こちらでの名称は "Glazed Doughnut") が 50 ペソ(110 円)と、日本に比べて随分安い。これはお得な感じだ。

さて、最初の BGC 滞在期間の、最後の週末が終わってしまった。今週末の金曜日には日本に戻る。11 月以降に妻と住むコンドミニアムがまだ決まっていないのは気がかりだが、それ以外は特に大きな問題もなく、平和に過ぎようとしている。