BGC駐在日記

フィリピンのフォート・ボニファシオ(BGC)での生活の記録です。

部屋探し、日常に潜む危険

金曜日。朝、オフィスに顔を出して 1 時間程仕事をしてから、外でブローカーと待ち合わせ。私と妻が住む部屋の候補を、いくつか紹介してもらうことになっていた。

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Serendra (Copyright(C) Google

今日連れて行ってもらったのは 4 軒、全て Serendra (セレンドラ)という巨大なコンドミニアム群の中にあった。地図を見てもらうと分かるが、南北に 800 m 近く、東西に 200 m 近くという広大な敷地だ。大通りを間に挟んでおり、そこには専用の歩道橋がある。敷地に入るためには住人である証をガードマンに見せなくてはならない。各ビルに入るにも ID をかざす必要があり、ドアはドアマンが開けてくれる。敷地内は緑があふれ、景観のための水路や、住人が自由に使えるプールがいくつもある。その他、ジムや学習室のような施設もいくつかある。かなり贅沢な雰囲気の空間と言っていい。日本人も多いようだ。今日紹介された 4 軒は、予算オーバーのものもあるが、基本的には中々いい感じの部屋で、妻さえ気に入れば、そこにしてもいいだろうと思えた。

ところで、今回は部屋探しのために、かつての所属部署(日本)に頼んで、備品の 360 度カメラ THETA(シータ)を借りてきている。部屋の候補を THETA で撮り、それを日本にいる妻がストリートビューのように確認して、物件の良し悪しを 2 人で相談するためだ。これが今回、非常に効果的で助かっている。普通のカメラでは伝わりにくい雰囲気や、間取り、良い点や悪い点がかなりの精度で伝わる。自分自身の記憶よりも正確に記録されるし、撮り逃しを心配する必要があまりない。これは我ながらいい判断だった。

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Serendra の内部、さながら公園のようである

結局、部屋の内覧は午前中いっぱいかかって、正午前にオフィスに戻った。今日は金曜日なので、例によって会社のお金で昼食が提供される。今日は SM Aura にある「FRANKIE'S」のお弁当。 フライドチキンとライスである。今回は陽気なMがお薦めする、「Wicked Wasabi」(邪悪なワサビ?)味。そして、例によってMのふりかけでライスを食べる。フライドチキンには汁がないので、ふりかけの存在がありがたかった。お薦めするだけあって中々美味しかったが、どの味でも同じような満足度が得られるような気がする、そんな感じ。ジャンク。

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FRANKIE'S の Wicked Wasabi

今日は日本オフィスから依頼されている業務の締め切りだったので、スタッフが業務の仕上げを行っていた。…が、中々思った通りの仕上がりにならず、苦戦していた。私も、その仕上がりがどうなるか気になっていたので、定時を過ぎても会社に残っていた。作業を手伝うことができるわけではないので、別の仕事をしながらだったのだが、23 時になっても思ったようにならず、チームはギブアップ。残念ながら、自分たちとして完全だと思えるところまでは至らず、残り作業は来週に持ち越しとなった。

そこでハタと気づいたのだが、ここは日本ではない。スタッフは安全に家に帰ることができるのか?! チームには女性もいる。慌ててリーダーのEに聞くと、かなり渋い顔をしている。しまった…配慮が足りなかった。私やEは BGC に住んでいるが、多くのスタッフは BGC に住んでいるわけではない。基本的にフィリピンは、深夜に出歩いて安全な国ではないのだ。とにかく最も安全な方法で帰ってもらい、そのためにかかった費用は後で支払うからレシートをもらっておいてくれ、とEに伝える。結果的には、女性スタッフは両親に車で迎えに来てもらえることになり、もう一人の男性スタッフは歩いて帰ると言う。だが BGC に家があるわけではないようで、リーダーのEも「Good luck...」などと冗談だか本気だか分からない言葉をかける。とにかく、今後は気を付けよう。

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TGI Fridays のポークステーキ、シーザーサラダ

結局、リーダーのEと私が退社したのは、深夜 0 時近くだった。さすがに High Street の多くのレストランも閉まっており、私とEはアメリカ料理屋「TGI Fridays」に入った。Eが言うには、この店は日本にもあったらしい。サラダが食べたかったのでシーザーサラダと、ポークステーキ、それとアメリカらしく(?)ハイネケンを頼む。味は悪くない。2 人で 2,200 ペソ(4,600 円)ほど。フィリピンのシーザーサラダは、レタスが手に入らないからか、ケールで代用しているようだ。やや水分が少ないが、特に違和感なくシーザーサラダである。長い時間Eと喋っていると、だんだん自分が英語を話しているということを意識しなくなってくる。相変わらず言いたいことを十分に表現はできないが、良い傾向だと思う。Eは日本に何か月か滞在して一緒に仕事をしたこともあるし、日本の文化とフィリピンの文化の違いをよく理解している。フィリピン人にしては珍しく、日本人のような考え方(良くも悪くも空気を読む、という感じ)をするところも多い。色々なことを喋って、深夜 1 時半頃にお開き。私の滞在する部屋とEのコンドミニアムは近所なので、一緒に歩いて帰る。こうしていると、日本での生活と同じような感じだが、それは BGC が特別なのだということを忘れてはいけない。