BGC駐在日記

フィリピンのフォート・ボニファシオ(BGC)での生活の記録です。

恐怖体験

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人間信号となる交通警官

BGC は朝の渋滞が酷いようだ。日によって違うが、多くの場合大きな交差点は信号機が全方向赤点滅になり、代わりに交通警官が交差点の真ん中に立って、車の流れを制御する。写真の交差点の場合、東からくる車は大量だが、西から来る車や南北から来る車は少ない。そのため、通常の機械的な信号ではすぐに酷い渋滞になることは目に見えている。交通警官が、直進車・右折車・左折車を、状況を見ながら制御するのだ。気が短くてクラクションばかり鳴らしているドライバーも、交通警官の指示には基本的には従うが、それでも、各ドライバーが「行ける」と思ったタイミングで勝手に交差点に入っていく。自分が「行ける」と思っても、前の車が行かなかったら、すぐにクラクションを鳴らす。殺伐としている。交通警官が制御するのは基本的に車の流れだけなので、歩行者は自分が安全だと思ったタイミングで、勝手に行くしかない。歩行者側も心得たもので、隙間を縫って器用に渡っていく。私はかなり安全マージンを取るので、4-5 分近く交差点で待たされることも珍しくない。原則として歩行者優先の BGC でも、渋滞という問題の前では無力なのだ。

午前中、上司のAさんが「Today...」と話しかけてきたまま固まったので、きっと洗濯の話だろうと思い、「Are you going to come to my room?」と言えば、肯定の反応。一生懸命英語を練習しようとしている。いい傾向だと思う。そのまま英語で、何時に来るかとか、食事はどうするか、一緒に食べるのか、などと話す。20 時頃に一緒に食事をして、私の部屋に行くことになった。

今日の昼食は、昨日H社長に連れて行ってもらった「南蛮亭」のレフトオーバーを冷蔵庫に入れておいたので、それを食べる。結構な量があって、しかも焼き鳥なので、なかなか満足度の高い昼食になった。安いのだから仕方ないが、やはりパサパサしたお米と肉料理だけのお弁当では、あまり豊かな感じはしない。嫌いではないのだけれど、毎日というのは辛いものがある。

そして夜、Aさんおすすめの台湾料理屋「Botan Black Cafe」に行く。ビルの 2 階、目立たない所にあるので、一人だと見過ごしてしまいそうだ。こういうところを紹介してもらえるのはありがたい。どのメニューも手頃な値段で、美味しそうだ。酒はサン・ミゲル・ライト、それに炒飯と麻婆豆腐を頼んで、麻婆豆腐の方はAさんとシェアする。美味しい。日本人には全く違和感のない、慣れた味だろう。乾杯をして、フィリピンでの生活についてあれこれ話す。私たちの目下の目標は、行動範囲を BGC から広げることだ。私でも多少不安なのだから、まだ言葉の壁があるAさんにとっては尚更だろうと想像する。

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Botan Black Cafe(牡丹道知台湾料理)の炒飯と麻婆豆腐

食事の後は私の部屋に行き、Aさんは洗濯をする。うちに置いてあったフィリピンに関するノウハウ本「金なし、コネなし、フィリピン暮らし!」を見せたら、中々熱心に読んでいた。フィリピンに関する書籍は数が少ないので、当然Aさんも読んでいるものと思ったが、そうではなかったようだ。私自身はこの本の知識で随分助けられているところがあるので、その予備知識が無かったらAさんも中々苦労したのだろうな、などと思う。この本を読んでおくと、フィリピンやフィリピン人のことが大雑把に理解でき、日本の常識と違うことに出会っても、落ち着いて、怒ったり苛立ったりせずに対処できる気がする。日本人だって、世界から見れば異端なのだ。

Aさんが帰ったあと、私も洗濯をしようとベランダの洗濯機に服を入れていたら、ベランダの手すりのところを、大きなゴキブリが走っていくのが見えて、恐怖で硬直してしまった。19 階だぞ、ここ?! 手早く洗濯機に服を入れ、スイッチをオン。急いでベランダの扉を閉める。うーん、これは困った…洗濯が終わった後、当然だが、もう一度ベランダから洗濯物を取り込まなくてはいけない。憂鬱だが、仕方ない。随分警戒しつつベランダの扉を開け、急いで服を取り込んでいると、今度はベランダの壁を素早く動く白い生き物がいる。再びビックリしてそちらに目をやると、ヤモリだ。もうやだ、この部屋…。先週末に購入した突っ張り棒のおかげで干すところに困らなかったのが、不幸中の幸いといったところか。今後の洗濯が恐怖でしかない。