BGC駐在日記

フィリピンのフォート・ボニファシオ(BGC)での生活の記録です。

老人のいない街

BGC の横断歩道は、渡る時間が全体的に短い。基本的に、青になる前から待っているということが前提で、青になった瞬間に早足気味に歩かないと、青のうちに渡り切れない感じだ。シビアな横断歩道には大抵カウントダウンが付いているので、気を付けていればそんなに危険なことはない。しかし、日本と違って信号の変わり目に「すべてが赤」というバッファの時間がほぼゼロなので、青いうちに渡り切らないといけない。歩道の至る所に車椅子マークがあり、段差がないようになっているのに、実際にこれを車椅子で渡るのは中々大変だろうと想像する。正直、老人や障碍者には全く優しくない街だ。そこまで考えてふと気づいたのだが、BGC ではほとんど老人を見かけない。おじさん・おばさんという類でさえ、ショッピングモールの中などを除けば、街中で見かけることはほとんどない。たまに街中に中年、老人がいると思えば、それはフィリピン人ではない。白人や東アジア人だ(私もそうだ)。私が BGC で見た最も高齢な人間は、H社長だと思う。もちろん、BGC が特殊な街だということもあるだろう。スラムに行けばきっと路上に寝転がった老人がいたりするはずだ。マカティでも似たような人を見た。少子化の日本では考えられないことだが、フィリピンではどんどん子供が生まれる。そして平均寿命は今でも 70 歳に満たないという。若返り続ける国、生物としてとても正しい気がする。

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ベトナム料理屋「ZAO」

夕食は、Serendra の中にあるベトナム料理屋「ZAO」を訪れてみた。これまで色々な店に行ってみた結果、多くの店が夜が飲み屋も兼ねていて、メニューのほとんどがシェアする前提のサイズだということを学んだ。毎回食べきるのが大変なので、この店はどうだろうかと、店の前に掲げられたメニューを眺めていたら、子供のように小柄な若い女性店員が話しかけてきた。聞けばベトナム人だという。「この料理は、一人で食べるには多い?」と聞いたら「そんなことはありません。一人に丁度いいと思います。シェアするお客様もいらっしゃいますが。その時の食欲によります。」と言う。「じゃあ、このチキンライスと、スピナッチと揚げ豆腐のニンニク炒め(みたいなもの)を」とお願いして、例によって例のごとく、屋外の席に座る。とにかくフィリピンのクーラーは私にはきつい。サービスチャージ込で 528 ペソ(1,110 円)。

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チキンライスと、スピナッチと揚げ豆腐の何か

運ばれてきた料理を見たら、多いじゃん! とてもさっきの小柄な女性が全部食べられる量だとは思えない。普通に 2 人前はある。うーん、なかなか一人で気軽に入れる飲み屋というのはないものだ。日本の居酒屋なら、シェアする前提なのに一人前にも満たない量というのはよくあることで、一人で入ってもそんなに困らないのだが。今回は味が平坦で濃かったのもあって、さすがに残してしまった。お勘定を頼むと、店員に「持って帰るか」と聞かれて、反射的に不要だと答えてしまったが、そうか、こちらは日本と違って、残したものを持って帰るという選択肢があるのか。次からは無理に食べるのではなくて、持って帰ることも検討してみよう。