BGC駐在日記

フィリピンのフォート・ボニファシオ(BGC)での生活の記録です。

大掃除

土曜日なので 9 時に起床。そういえば、上司のAさんが午前中に訪ねてくると言っていた。Aさんが滞在するコンドミニアムに洗濯機が無いので、この部屋で洗濯がしたいらしい。元々ここはAさんも滞在していた部屋だし、別に私が居ようが居まいが、合鍵で勝手に入って勝手に洗濯してください、と言ったのだが、義理堅く、私が在宅する時間に来ることになったのだった。

洗面台の前で髭を剃っている時に、突然玄関のドアが開いて、Aさんが入ってきた。確かに勝手に入ってきていいと言ったが、ドアベルも鳴らさないのはいかがなものかと抗議すれば、鳴らしたと言う。どうやらドアベルが壊れているようだ。この部屋のドアベルが使われたことはこれまでなかったらしいので、いつから壊れていたのか分からない。しかし、どうでもいいので放置することにする。あらかじめ壊れていることが分かっているなら、ノックで代用できる。ただのドアベルでしかなく、通話機能などはないのだから。

Aさんが洗濯機が止まるのを待っている間、NHK が観たいというので、30 分程一緒に、南硫黄島の生態系を調べるという番組を観ることになった。南硫黄島に人が立ち入ることは禁止されており、今回は初めての大規模な学術調査らしい。生物は「3 つの W」(Wind, Wave, Wing)で島内に運ばれ、独自の生態系が形成される。中々面白い番組だったが、上司と一緒に黙って NHK スペシャルを観るというのは、なんだかくすぐったい感じだ。洗濯が終わると、それを干すためにAさんは帰っていった。

さて今日は、街を回って生活に必要なものを買ってくるか、と思っていたが、自分も洗濯をしてから出かけることに。既に来た服と下着、それにシーツや枕カバーを洗濯機に突っ込む。そこまでやって、洗濯物を干すところに悩む。小さなベランダに、屋内用の洋服掛けが置いてあるが、お世辞にも清潔とは言えず、そこに干す気にはならない。服はワードローブにかけて扉を開けておけばなんとかなりそうだが、シーツはどうしたものか…。悩んだ末、ワードローブの観音扉を開けてその上を渡せば、なんとかなりそうだと気づいた。ところが、ワードローブの天板に埃が積もっていて汚い。とにかくこの部屋全体、色々なところの埃がそのままになっていて、少しずつ掃除する羽目になる。仕方ないので、日本から持ってきた雑巾を 1 枚おろして、ワードローブの天板、側面、前面を水拭きする。雑巾が真っ黒になったが、ワードローブはそれなりに綺麗になった。さらにハンガーも全て埃まみれだったので、一つ一つ丁寧に拭いていく。ところが、いざ洗濯が終わったシーツを干そうとしたら、シーツのところどころに誇りが固まって付いている。ある程度は仕方ないが、ちょっと酷い。洗濯機の埃取りフィルターを覗くと、ヘドロのように埃が詰まっていた。Aさんには、フィルターを掃除するという発想が無かったのか。口に出して文句を言いつつ、フィルターを掃除する。綺麗になったフィルターを洗濯機に取り付け、ついでに洗濯機自体も水拭きして、もう一度シーツを洗う。今度も多少は埃がついていたが、乾いた後にちょっと取れば済む程度だ。満足して、綺麗になったワードローブにシーツを掛ける。何だかんだで 15 時くらいになってしまった。

昨日は Market! Market! に行ったので、今日はまず別の大型ショッピングモール「SM Aura」に行くことにした。こちらは Market! Market! よりは小型だが、明るく華やかで、日本のイオンモールにかなり近いイメージだ。「都路里辻利)」も入っている。ドラッグストアに入って、スキンケア製品など、妻と私が日本で使っているもののうち、こちらでも手に入るものが何かを調べる。化粧品の類は、日本から持って行けるなら持って行った方がいいかもしれない。もちろんこちらでも色々なブランドのものが手に入るが、手に入らないものもある。敏感肌なら、使い慣れたものの方がいい。値段については門外漢なので全く分からない。

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スーパーマーケットの魚売り場

地下のスーパーマーケットで、食料品の品揃えと相場を確認。こちらは、妻とリアルタイムにメッセージのやり取りをしながら。果物、野菜の類は、日本よりも概ね高い。パイナップル、パパイヤ、マンゴー、バナナなど、近隣で収穫できそうなものは安いようだ(当然だ)。普段よく食べているもので見当たらなかったのは、レタス、大根、キュウリ、サツマイモ、モヤシといったところか。白菜やキャベツ、ニンジンは、売っているが非常に小ぶりで、割高だ。豆腐(韓国製)、豆乳はあった。肉類は全体的に日本より安そうだが、売り方が豪快で、日本のように献立に合わせた切り方をされてパックされているということは少ない。魚も姿売りが一般的で、切り身の売り方もあるものの、そこまで充実していなさそうだ。醤油は中国製と日本製(キッコーマン)があり、価格が 7-8 倍違う。中国製は 1 リットルで 33 ペソ(70 円)、日本製は 500 ミリリットルで 121 ペソ(250 円)。米は長粒種なら安くて、25 キロで 1570 ペソ(3,300 円)。食費に関しては、日本より微増しそうだというのが私の予測。地元民と同じ、肉類中心の食事にすれば安く済むのかもしれない。

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ミニフードコートのビーフ・タパ

昼食は、スーパーマーケットの隣の小さな食事スペースで、ビーフ・タパを買って食べる。50 ペソ(105 円)。タパというのは、スペイン料理の言葉で、小皿料理のこと(フィリピンはかつてスペインに支配されていたので、言葉や風習にスペインの名残がある。勿論、アメリカに支配されていた時期の方が現代に近いので、言葉も含めアメリカの影響の方がずっと大きいようだ)。テーブルは綺麗ではなく、客がゴミを残していく。モラルが低い。店員の愛想も悪く、注文の仕方が分からずに私が困っていても、面倒くさそうに対応するだけだ。まぁ、こんな安い食事のコーナーにホスピタリティを求めても仕方ないのかもしれない。大した給料をもらっているわけでもないだろう、と、勝手に納得する。味はそれなり、としか言いようがない。逆にこの値段でとても美味しかったら大人気になるのだろうから、とても美味しいはずはない。ジャンクな感じ、嫌いではないけれど。

SM Aura を後にして、お隣の Market! Market! に行く。コンシェルジュで、昨日見つけられなかった両替屋「SANRY'S」の場所を聞き、そこで 2 万円を 9,580 ペソに両替する。つまり、1 ペソあたり 2.09 円程度だ。セントレアの 2.59 円とは何だったのか…。コンシェルジュに紹介された場所は、Market! Market! の中でも雑然とした一角で、探すのに少し苦労した。とにかく建物の中は迷路のようなので、慣れないうちは目的の場所に行くのに苦労する。後日、別の場所にも SANRY'S を見つけた。あまりに広いから、2 軒も出店しているのだろうか?

懐に余裕が出たところで、会社で使うタンブラーと、部屋で筋トレをする時に使うヨガマットを、「METRO」という Market! Market! 内のデパートのような店舗で購入する。タンブラーは中国製のかわいいもので 249 ペソ(520 円)、ヨガマットは厚手のものを選んで 599 ペソ(1,260 円)。日本で買ってもそんなものだろう。手荷物が増えてしまったところで、これ以上の買い物は諦めてコンドミニアムに戻る。

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ポークステーキのワンプレート

夕食は、High Street の「Roadhouse」で取る。アメリカ西部風の飲み屋だ。そこで、ポークステーキの 1 人前(この店は、複数人用と個人用が用意されていた)とビールを頼む。ビールはフィリピン地元のサン・ミゲル・ビール。95 ペソ(200 円)。ポークステーキは 295 ペソ(620 円)で、チャージが 35 ペソ(74 円)。何となくお得な感じだ。日本では車中心の生活をしていたので、休日や会社帰りに飲むということは少なかった。そもそも飲みたいという欲求が小さいので特に問題はなかったが、やはりこういう店だと、酒を飲んでいないと格好がつかない(と言いつつ、一昨日は飲まずに食事していたが)。チャージ料の代わりだろうか、最初に頼んでもいない落花生と、殻入れの小さなバケツが運ばれてきた。つまみながら飲めということらしい。気分出るなぁ、と思いつつ、ビールをあおる。悪くない休日だ。食事の途中、マネージャーを名乗る男性が席にやってきて、「料理はどうか、問題ないか?」などと聞いてきたので、「とても美味しい」と答える。嬉しそうだ。この辺りの飲食店の店員は、中々愛想がいい。といっても、2-3 例しかまだ知らないが…。また来るよ、と言って店を出た。

明日は、もう少し行動範囲を広げてみよう。