BGC駐在日記

フィリピンのフォート・ボニファシオ(BGC)での生活の記録です。

寒いオフィスの理由

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ハンバーガー屋「POUND」

フィリピンのオフィスは寒い。クーラーの設定温度は 19 度や 20 度である。半分くらいのスタッフは、長袖のパーカーやジャケットのようなものを着ている。残りの半分は半袖だ。みんな寒くないのかと聞いたら、快適だという人と寒いという人がいる。寒いと言うのは、勿論長袖を着ている人だ。リーダーのE曰く、フィリピン人の体感温度はバラバラなので、暑がりの人に温度を合わせる方が合理的だというのだ。寒い人は着込めばいいが、暑い人はどうしようもないからだ。この理屈は日本に居た時からよく聞いたし、実際その通りだとは思うが、残業時間など人が少なくなってくると、そこにいる全員が凍えているのにクーラーがガンガンかかっているという事態も起こる。完全な電気の無駄遣いだ。だが、何故かみんな我慢してしまう。私はわがままだから、遠慮なく設定温度を上げるけれど。

仕方がないので、帰り際にユニクロに寄って、ウルトラライトダウンのパーカーを購入。3,990 ペソ(8,400 円)。日本だと税込 8,629 円らしい。これで明日からはオフィスで温かい。というか、何故常夏のフィリピンのユニクロで冬物が売っているのか謎だったが、理由の一端が分かった。勿論、冬の地域に移動するために必要だという理屈が一番だろうけれど。

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シーザーサラダとモコ

今日の夕食は、ハンバーガー屋の「POUND」でシーザーサラダとモコ。合わせて 380 ペソ(800 円)。これがどちらもかなり美味しい。シーザーサラダはロメインレタスが使われていた。いい店を見つけた。今日も足元でずっと猫が餌を欲しがって鳴いていたが、完全に無視した。心が痛むが仕方ない。

帰り道に書店で、プロジェクトマネジメントに関する本を買う。別にプロジェクトマネジメントの勉強がしたかったわけではなくて、部屋で英語を朗読するための題材がほしかっただけ。業務で使う言葉が多く使われている方が、実践的で役に立つ。

人気店と不人気店の違いとは?

ミーティングが続いたので、昼食を食べ損ねた。仕方ないのでオフィスの入っているビルに入っている「Toby's Estate」でソーセージパイとカレーパイを買う。合わせて 250 ペソ(530 円)。仕事は多いのに、全然片付かない。オフィスのインターネット接続の調子も悪く、作業に支障が出ている。

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「KIKORI」の焼肉丼

夜、上司のAさんが、私の滞在している部屋に置いてあるAさんの私物を取りに来ると言うので、夕食を一緒に取る。Aさんが言うには「全然客がいない店」とのことで、行ってみたら実際にいない。日本の丼物や寿司を提供する「KIKORI」というお店。焼肉丼とサン・ミゲル・ペールで 460 ペソ(970 円)くらい。どんなに味が悪いのかと思ったが、焼肉丼はかなり美味しかった。味噌汁は、出汁がきいていなくてあまり美味しくなかったけれど、リーズナブルでいい店だと思う。客が少ないのはいいけど、潰れない程度に客が入ると嬉しい。丸亀製麺に行列ができるくらいなら、こちらに行列ができても別に驚かないけれどな。

Aさんの私物が減ったことで、少しだけ部屋のクローゼットがすっきりした。

ボランティア再び

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High Street

週が明けて再び月曜日。少し寝坊したので、小走り気味にオフィスに向かう。特にこれと言って変わったことのない一日。昼食もいつもの 110 ペソ(230 円)のお弁当で、脂っこい豚肉と、また別の味付けの脂っこい豚肉を食べる。そろそろ昼ご飯について、外食を検討してもいいかもしれない。お金はかかるが。

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アドボとカレカレのセット

夕食は High Street の「FIGARO」でアドボフレークとカレカレのワンプレート料理。朝食向けのメニューのようだが、このくらいの量が丁度いい。269 ペソ(570 円)。セットの飲み物はコーヒーかレモネードかと聞かれたので、「I can't drink coffee.」と言ったのだが、いざ料理ができてきたら、コーヒーが乗っている。思わず、「Is this a coffee?」と聞いたら、「Yes! And this is a sugar, this is a milk」などと説明を始める。違う、そういうことじゃない。どうやら「I can drink coffee.」と聞こえてしまったようだ。実際にはコーヒーを飲めないわけじゃないからいいのだけれど。久しぶりに飲んだ普通のコーヒーは、とても美味しかった。

例によって店の外の席で食事をしていたのだが、またしても School of Music のボランティア女性がやってきて、私に寄付を迫ってきた。前回よりも大人しい感じの人で、まず声が小さくて聞こえない。「またか…とりあえず身分証明書を見せて。」と言ったら、またしても持ってない。何故あなたたちは寄付を募るのに ID を持ち歩かないのか。本物でも詐欺でも、身分証明書は必須だろうに。すると女性は、近くにいた女性を呼んだ。まただよ、仲間呼び。さらに 2 人の女性がやってきて、ID を見せてくれる。もはや疑ってもいないが、前回のボランティアの人と一緒に撮った写真を見せて、「この前寄付したばかりだから、また今度ね。」と言ったら、写っているのが誰なのか分かったらしく、素直に引き下がった。念のため写真を撮っておいてよかった。別に払いたくないわけではないが、毎日のように来られても困る。

陽気なフィリピン娘たち

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Little Tokyo 入り口の寂れた看板

日曜日だけれど、昨日早く寝たからか 8 時前には起床。ゴキブリとヤモリにびくびくしながら洗濯をする。ちなみに、ゴキブリはともかく、ヤモリは別に嫌いではない。ただ、突然視界の端で何かが動くとびっくりするというだけ。幸い今日はゴキブリを目にすることなく、無事に洗濯が終わった。ふぅ。

今日は BGC の外に出てみることにした。Grab という配車アプリをダウンロードして、マカティの Greenbelt Mall (巨大なショッピングモール)を目的地に設定する。配車を頼むと、紹介された車には他の客も乗っていると表示されたが、別にシェアするのは構わないので予約をすると、数分でコンドミニアムに着くという。慌てて玄関の鍵をかけて外に出るが、こういう時に限って一向にエレベーターが来ない。エレベーターを待っているうちに、タクシーが到着したという表示がされ、3 分以内に現れないとキャンセルになってしまうという。しかし全然エレベーターが来ない。階段を使おうにも、ここは 15 階である。さすがにエレベーターの方が早そうだ。Grab のチャット機能で「エレベーターを待っている。とても混んでいる」とドライバーにメッセージを送る。シェアしている人にも申し訳ない。ようやく着いたエレベーターは案の定混んでいて、しかもその後も各階に停止する。こんなこと今まで一度もなかったのに…。

明らかに 3 分以上が経っていたが、コンドミニアムの車寄せに、目的の車はあった。謝りつつ車に乗って、マカティを目指す。BGC の中で、シェアしていた客を降ろして、後は運転手と 2 人きり。特に会話は無い。怒っているのかもしれない。車は順調にマカティに向かい、5 km 程の道のりを 20 分くらいで到着。131 ペソ(280 円)。安い。車(トヨタの海外限定モデル、ヴィオス)も快適だったし、運転も中々丁寧(フィリピンにしては)。よくよくお礼を言って降車する。

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マカティ高層ビル群の近くの街並み、日本の片田舎のようだ

さて、いざマカティに来たものの、特にこれといった目的は無い(目的は BGC の外に出ることだ)。ひとまず、Little Tokyo という一角があることは知っていたので、Greenbelt Mall から 1 km 以上歩いて、Little Tokyo に向かう。今日はフィリピンに来てから最も日差しが厳しく、暑い日だった。たまらず、途中のセブンイレブンで 500 ml の水を買う。16 ペソ(35 円)。安くて助かる。風景は BGC とは違い、高層ビルばかりではなく、小さな商店もたくさんある。古びたビル、古びた店、時代錯誤なキャバレーのような場所。日本語もちらほら見かける。きっと 70 年代だか 80 年代だか、バブルに浮かれた日本人がやってきて、騒いだりしていたのだろう。夢の跡だ。早晩、国としての立場は逆転するのではないだろうか。私が生きている間かどうかは分からない。

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Little Tokyo 内部

そうこうして Little Tokyo に着く。しかし、着いたかどうかが確信を持てない。Google Map は、ここが Little Tokyo だと言っている。私自身は、横浜や神戸にあるような中華街の、規模を小さくしたような街並みを想像していたのだが、そこにあったのは、時代から取り残された何かだ。細い路地の入口に、鳥居がある。鳥居には Little Tokyo と書いてある。ひと気の無いその路地に入っていくと、フットサルコートくらいの広場に黒塗りのテーブルが並べられ、その周りにお好み焼き屋や居酒屋が数軒立ち並んだ空間があった。真昼間なので営業していない。私一人だ。フィリピン人の店員らしき人が、準備のためなのか出入りしていた。痩せた猫がこちらを警戒している。よくもまぁ、たったこれだけの空間を東京などと呼んだものだ。小京都もびっくりな JARO 案件だ。札幌の時計台だって、これよりは失望感が少ないだろう。同じく、Little Tokyo を訪れていた日本人らしき団体が外縁にいたが、辺りをきょろきょろしている。戸惑いの色を隠せていないように見えた。それはそうだろう。

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たまたま見つけた日曜市

中々興味深いものを見た、と Little Tokyo のことを思いながら Greenbelt Mall に戻る途中、日曜市をやっていたので立ち寄る。普段は駐車場として使っている区間に、所狭しとタープが並べられ、野菜、工芸品、ジャンクフードなどが売られている。結構広い。観光客なのか白人も多い(BGC は、私が想像したよりも白人が少ない)し、子連れも多い。折角なので、鳥を串に刺して焼いたものを 50 ペソ(110 円)で買い、ほおばりながら商品を眺める。こういうところで野菜を買うと、海外に来た気分になれるのかもしれない。

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モヒートとグリーンカレー。もち米は小型のセイロに入ってお握り状だ

昼食は、Greenbelt Mall のタイ料理屋「Mango Tree」でモヒートとグリーンカレー、それにもち米を頼む。昼間っから飲めるのは、海外にいるからこそという感じだ。日本にいると、どうしても車を運転したくなるので、昼間に飲む気にならない。チャージも合わせて 752 ペソ(1,580 円)。ちょっと贅沢をしてしまったか。300 ペソのお釣りが来るように 1,052 ペソの支払いをしたのだが、50 ペソやら 20 ペソやら、やたら細かい紙幣でお釣りが返ってきた。なんだこれはと思ったが、もしかして、チップを置いていきやすいように少額紙幣にしているのだろうか(サービスチャージがあるのに?)。うーん謎だ…と思いつつ、チップを払ったことがないので、50 ペソをテーブルに置いて立ち去る。はたしてこれで良かったのだろうか? 確認のしようもない。後で調べたところ、レストランで 50 ペソというのは、特に失礼な金額ではないようだ。良かった。

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Greenbelt Mall

Greenbelt Mall は、SM Aura と比べてももっとハイソな店舗が多く、例えばエルメスとかプラダとか、そういう感じ。日本で言うデパートに近いもののようだ。勿論、無印とか H&M も入っているので、上から下まで…とうところだろうが、例えば 100 均に相当するような店は無い。全体的に高級だ。私がウインドウショッピングするには適さないなー、という印象。あと、トイレが見つけにくい。もしかしてトイレがないのかと思ったくらいだ。そんなこんなでトイレを探していたら、妙齢のフィリピン人女性 2 人組に道を聞かれた。30 歳以上 45 歳以下…といったところだろうか。全然想像がつかない。身なりは、お洒落でクールな感じだ。「ごめんなさい、英語で…」と言えば「あら、フィリピン人かと思ったわ、ふふふ」と笑う。フィリピン人に見えるというのは、日常の危険が減りそうだからいいな、などと考えていると、続けて「学生?」と聞かれて、「いやいや、42 歳(実際はまだ 41 歳だった)」と答えたら、例のごとく驚いた反応。そんなにか。そのまま、彼女たちが日本を訪れた時の話とか、日本のどこに住んでいるのか、といった話をしながら歩く。「トイレを探しているんだ」と言えば、トイレに案内してくれた。じゃあね、と別れてトイレに行く。

トイレから出てくると、入り口近くにまだ彼女たちがいたが、特に声をかけるでもなく私は反対方向へ。と、後ろから声をかけられた。「(11 月に日本に行くという)彼女が日本語を教えてほしいんだって。時間があるならコーヒーでも飲みながらどう?」と言ってきた。まぁ 1 時間くらいなら…と答えて、サンマルクカフェへと行く。一方の彼女は東京に滞在したことがあり、何か所か東京近郊の同店を訪れたことがあるそうだ。

しばらくは、サンマルクカフェで 3 人で世間話をしていた。11 月からは妻もフィリピンに来るのだとか、日本のどこそこに行ったことがあるとか、そんな感じ。しばらくすると、今度は別の女性がやってきた。こちらは明らかに 2 人より若い。20 代だろう。ドリュー・バリモアに顔も体型も似た、可愛い感じだ。ノリも、チャーリーズ・エンジェルの時のドリュー・バリモアに近い。元々 3 人はモールで待ち合わせており、ドリューだけが駐車場に車を置いていて遅くなったそうだ。休日は大体一緒にいるとのこと。一緒に住んでいるらしい。シェアハウス? 年齢差が多少ある気がするが、あまり関係ないのかな。ドリューも近々仕事で日本に行く可能性があるらしく、日本語の教科書を見せてくれた。しかし、仕事では流暢に話すことを求められているらしい。今は全然話せていないから、先は長いだろうなぁ。

そのまま 4 人で話していると、この後どこかお勧めスポットに行って、その後夕食にしましょう、などと彼女たちが言う。待て待て、そんな遅くまで遊び歩いたら、私が BGC まで(安全に)帰れなくなってしまうから駄目だよ、と答える。すると「私が車で送るから平気よ」とドリューが言う。そもそも君らの元々の予定はどうするんだ、と聞けば「プランなんて最初から無いわ。いつも、まず集まって、それから何をするか決めるのよ。で、今決まったわ」と言う。これがフィリピン人のノリなのか、彼女たち固有のものなのか分からない。

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Eastwood Mall のミニ・ハリウッド的な何か

彼女たちの押しに負けて、車で Eastwood Mall まで行く。マカティから 10 km 程、ここも結構大きなショッピングモールのようだ。中庭には、フィリピンの有名人の名前が刻まれた石板があちこちに埋められている。ハリウッドのそれを真似ているらしい。当たり前だが、私が知っている名前は一つもなかった。そこでしばらく時間を潰した後、今度は彼女たちの家に連れていき、夕食を振る舞うと言う。待て待て待て、警戒心ってものがないのか君たちは(私もだが)。まぁ、全員例外なく私よりも体格がいいので、暴力沙汰になったらあっという間に私が負けるだろうが…。

なし崩し的に、彼女たちのシェアハウスへ向かう。Eastwood Mall のすぐそばの庶民的なヴィレッジで、そのエリアの入り口にセキュリティゲートがあった。ゲートの中は見回りなどもされていて、女性にも安全なのだという。また、そこの地主は家族連れに家を貸すのを好まず、働く女性ばかりに家を提供しているらしい。子供は壁に落書きしたり部屋を傷めたりするから嫌なのだという。なるほど、合理的な商売だ。彼女たちの家は 1 階がリビングダイニングで、2 階が 3 部屋。5 人で住んでいるという。そして、一人が料理を準備している間、カラオケ大会が始まった。フィリピン人はカラオケが大好きで、どの家庭もカラオケ機を持っているらしい(厳密には、家主の持ち物だ)。ドリューは、日本人の私のために、宇多田ヒカルの First Love や Automatic を歌う。かなり上手い(何なら宇多田ヒカルよりも上手い)。しかし、歌詞の意味は理解していない。しばらくすると、さらに別のルームメイト 2 人が帰ってきて、カラオケパーティに加わる。歌が上手いのは分かったが(みんな本当に上手い)、謎の訪問者に警戒心ってものはないのか。大雑把な娘たちだ。私と妻とのなれそめを話すと、「どこにそんなラブストーリーが転がっているのか。私もそうなりたい」と口々に言う。みんなシングルのようだ。ドリューの元彼は漁師で、1 年に 1 回しか会えなくて、半年前に別れたらしい。それぞれ魅力のある娘たちに見えるが、フィリピン男子の好みとは合わないのだろうか。みんな結婚して、子供を欲しがっている。フィリピン人は本当に子供が好きだ。

結局、彼女たちが配車した車で BGC まで戻り、この日の冒険は終わった。ちょっとマカティに行くだけのはずが、随分特殊なサブシナリオの分岐を踏んでしまった。今後は自重しよう。

スターバックス、スターバックス

土曜日。ようやく週末。と言っても、それほど 1 週間を長く感じたわけではないけれど。初めてのフィリピン滞在の、前半半分が過ぎた。早いような気もするけれど、ブログで振り返ると、それなりに色々あって、期間相応な気もする。昨日の帰宅が遅かったのと、日頃の疲れもあって、11 時頃に起床。特に決まった予定はないので、今日は BGC の中での行動範囲を広げることに使う。

昨日の夜、フィリピンの危険性というものについてEと話し合った時、BGC のすぐ周辺にもスラムがあり、近づくと時には攻撃されることがあるのだと聞いた。お金を取る目的だったり、単に酔っ払って絡んできたり、ということだ。銃を持っていることもあるという。一般的にスラムの家はとても小さく、20 平方メートルくらいではないか、とのこと。本来そこに住む権利を持っているわけではなく、勝手に住み着いている、というのが実情のようだ。「今度見てみるといい。しかし、あくまでさりげなくね」とEが言うので、SM Aura に行く途中、教えられた場所を恐る恐る眺めてみると、確かにごちゃごちゃと、今にも壊れそうな建物が所狭しと並んでいる。ただ、話から私が想像した程、一つ一つの家は狭くない。これは、そう見えるだけかもしれない。どこからどこまでが「一つ」なのかが分からないので。

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両替屋「SANRY'S」、両替レートが良いらしい

SM Aura に入っているドラッグストア「Watsons」で、保湿クリームとヘアジェルを購入。Watsons は、BGC の至る所で見かけるチェーン店だ。普段使っているジョンソン&ジョンソンの保湿クリームが見つからない(これはどのドラッグストアでも見つからない)ので、仕方なくヴァセリンのものを買う。200 ml で 132 ペソ(280 円)。ヘアジェルは、日本でも使っていたギャッツビーのものが売っていた(表記はすべて日本語)ので、それを購入。142 ペソ(300 円)。やや安い気がする。

昼食は SM Aura のフードコートで済ませようかと思っていたが、もう 14 時過ぎだというのに人が一杯で座れなさそうだ。フィリピンのフードコートでは客のマナーが悪く、食事で出たごみを片付けない人も多い。席が空いていると思えば、大量のゴミがテーブルに乗っているということがよくある。当然、そうでない人の方が多いのだろうが、今の日本ではあまり見ない光景だ。仕方ないので、Market! Market! に移動して、そこで食事を取ることにする。途中、両替屋(Money Changer)の「SANRY'S」に寄って、2 万円を 9,460 ペソに両替する。先週は 9,580 ペソだったので、やや円安ペソ高。

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Market! Market! の MOSHI KOSHI

Market! Market! のフードコードも混んでいる(そして汚い)。どうしたものかと思っていたら、うどん・そば屋の「MOSHI KOSHI」が妙に空いている。割と日本食はこちらで人気のようだが、ここはそうでもないのか。メニューの中で一番小麦粉が使われていなさそうな肉そばを注文。230 ペソ(480 円)。日本と同じ感覚の値段、同じような味だった。人の多いここで、ゆっくり食べられるなら中々良いと思う。潰れないでほしい。

食事を済ませて、今度はオフィスに向かう。仕事があるわけではなく、単に忘れ物をしただけだ。オフィスに行くと、上司のAさんが独りで仕事をしていた。土曜まで出勤とは、中々大変なようだ。私も仕事が大量に残っているのだから、そのくらい頑張るべきだと思うが、中々ね…。気力が続かない。用事を済ませて、Aさんに別れを告げてオフィスを出る。

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スタバのカップ、"Ken" とスマイルマークが書いてある

夕方はひたすら、BGC 外縁を歩いて、どこに何があるかを把握する。もしもの時のために、大病院である「セント・ルークス・メディカルセンター」にも行って、病院の中を歩き回ったりもした。病院の中にもスターバックスがある。BGC は、本当にどこに行ってもスターバックスだらけだ。今日だけで 10 軒近くを通り過ぎている。マクドナルドやファミリーマートを含め、あらゆるチェーン店の中で一番多いのではないだろうか。そんな中、客が少なくてゆっくりできそうなスターバックスを見つけたので、そこに入ってイングリッシュブレックファスト・ティー・ラテのトールを、豆乳・シロップ抜きで作ってもらう。155 ペソ(325 円)。薄くて余りおいしくない。そして、変な甘さがある。調整豆乳の甘さだろうか? まぁ、ティー・ラテの味は日本のスターバックスでも店舗によって、というか、担当者によってばらつきが大きいので、それだけでフィリピンのスターバックスに失望したりはしない。それを飲みつつ、このブログを書いたりする。

ところで、フィリピンにに限った話ではないと思うが、スターバックスのような、注文が出来上がってから客が呼ばれるような店では、呼び出しのための名前を聞かれることが多い。日本のように、番号札を渡すところもあるが、逆に言えば、それ以外では名前を聞かれる。私はいつも「Ken」と言うことにしている。これはまず聞き間違えられることがないし、どの国に行っても「名前」だという風に認識されるからとても便利だ。日本人の一般的な名前だと、その発音やスペルを説明するのに苦労するだろうから、こういった場合の自分の愛称(Tom とか Mary とか)を決めておくといいかもしれない。別にそれは偽名でもいいのだから。

 BGC の外縁部分もそれなりに色々発見があった。基本的に、薄着の若い女の人が一人で歩いている範囲までは安全だろう、という見当をつけて、行けそうな範囲ギリギリまで行ってみたりした。ただ、別にそちら方向に見るべきものがあるわけではないので、早々に引き返してきたが。中々スリリングな日常だ。

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生野菜を大量に食べられる店「SALADSTOP!」

夕食は、High Street の端にあった「SALADSTOP!」で、ひたすら野菜を食べる。サラダだけで腹を満たそう、みたいなコンセプトらしいので、大量の野菜を食べたい時には便利そうだ。当然、お腹の満たされ具合に比べて、料金が高く感じるだろうけれど。なんとなく、意識が高そうだ。この SALADSTOP! も、BGC の他の場所でも見かけた。今回は、"BIG BIRD" というレシピの決まったサラダを頼んだ。375 ペソ(790 円)。サラダの具を一つ一つ選択してサラダを作ることもできるが、日本語でも面倒そうなのに、英語でそれをやるのは苦痛だ。

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ケール、セロリ、アボカド、リンゴ、ブドウ、チキンが入った「BIG BIRD」

測ってみたところ、今日は 10 km くらい歩いたようだ。途中で休んだりもしているので、特に疲れはない。家に帰ってシャワーを浴び、妻と LINE 通話をして、昨日見て回ったコンドミニアムの良し悪しについて相談する。来週、またいくつか物件を見られるといいなぁ。

部屋探し、日常に潜む危険

金曜日。朝、オフィスに顔を出して 1 時間程仕事をしてから、外でブローカーと待ち合わせ。私と妻が住む部屋の候補を、いくつか紹介してもらうことになっていた。

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Serendra (Copyright(C) Google

今日連れて行ってもらったのは 4 軒、全て Serendra (セレンドラ)という巨大なコンドミニアム群の中にあった。地図を見てもらうと分かるが、南北に 800 m 近く、東西に 200 m 近くという広大な敷地だ。大通りを間に挟んでおり、そこには専用の歩道橋がある。敷地に入るためには住人である証をガードマンに見せなくてはならない。各ビルに入るにも ID をかざす必要があり、ドアはドアマンが開けてくれる。敷地内は緑があふれ、景観のための水路や、住人が自由に使えるプールがいくつもある。その他、ジムや学習室のような施設もいくつかある。かなり贅沢な雰囲気の空間と言っていい。日本人も多いようだ。今日紹介された 4 軒は、予算オーバーのものもあるが、基本的には中々いい感じの部屋で、妻さえ気に入れば、そこにしてもいいだろうと思えた。

ところで、今回は部屋探しのために、かつての所属部署(日本)に頼んで、備品の 360 度カメラ THETA(シータ)を借りてきている。部屋の候補を THETA で撮り、それを日本にいる妻がストリートビューのように確認して、物件の良し悪しを 2 人で相談するためだ。これが今回、非常に効果的で助かっている。普通のカメラでは伝わりにくい雰囲気や、間取り、良い点や悪い点がかなりの精度で伝わる。自分自身の記憶よりも正確に記録されるし、撮り逃しを心配する必要があまりない。これは我ながらいい判断だった。

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Serendra の内部、さながら公園のようである

結局、部屋の内覧は午前中いっぱいかかって、正午前にオフィスに戻った。今日は金曜日なので、例によって会社のお金で昼食が提供される。今日は SM Aura にある「FRANKIE'S」のお弁当。 フライドチキンとライスである。今回は陽気なMがお薦めする、「Wicked Wasabi」(邪悪なワサビ?)味。そして、例によってMのふりかけでライスを食べる。フライドチキンには汁がないので、ふりかけの存在がありがたかった。お薦めするだけあって中々美味しかったが、どの味でも同じような満足度が得られるような気がする、そんな感じ。ジャンク。

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FRANKIE'S の Wicked Wasabi

今日は日本オフィスから依頼されている業務の締め切りだったので、スタッフが業務の仕上げを行っていた。…が、中々思った通りの仕上がりにならず、苦戦していた。私も、その仕上がりがどうなるか気になっていたので、定時を過ぎても会社に残っていた。作業を手伝うことができるわけではないので、別の仕事をしながらだったのだが、23 時になっても思ったようにならず、チームはギブアップ。残念ながら、自分たちとして完全だと思えるところまでは至らず、残り作業は来週に持ち越しとなった。

そこでハタと気づいたのだが、ここは日本ではない。スタッフは安全に家に帰ることができるのか?! チームには女性もいる。慌ててリーダーのEに聞くと、かなり渋い顔をしている。しまった…配慮が足りなかった。私やEは BGC に住んでいるが、多くのスタッフは BGC に住んでいるわけではない。基本的にフィリピンは、深夜に出歩いて安全な国ではないのだ。とにかく最も安全な方法で帰ってもらい、そのためにかかった費用は後で支払うからレシートをもらっておいてくれ、とEに伝える。結果的には、女性スタッフは両親に車で迎えに来てもらえることになり、もう一人の男性スタッフは歩いて帰ると言う。だが BGC に家があるわけではないようで、リーダーのEも「Good luck...」などと冗談だか本気だか分からない言葉をかける。とにかく、今後は気を付けよう。

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TGI Fridays のポークステーキ、シーザーサラダ

結局、リーダーのEと私が退社したのは、深夜 0 時近くだった。さすがに High Street の多くのレストランも閉まっており、私とEはアメリカ料理屋「TGI Fridays」に入った。Eが言うには、この店は日本にもあったらしい。サラダが食べたかったのでシーザーサラダと、ポークステーキ、それとアメリカらしく(?)ハイネケンを頼む。味は悪くない。2 人で 2,200 ペソ(4,600 円)ほど。フィリピンのシーザーサラダは、レタスが手に入らないからか、ケールで代用しているようだ。やや水分が少ないが、特に違和感なくシーザーサラダである。長い時間Eと喋っていると、だんだん自分が英語を話しているということを意識しなくなってくる。相変わらず言いたいことを十分に表現はできないが、良い傾向だと思う。Eは日本に何か月か滞在して一緒に仕事をしたこともあるし、日本の文化とフィリピンの文化の違いをよく理解している。フィリピン人にしては珍しく、日本人のような考え方(良くも悪くも空気を読む、という感じ)をするところも多い。色々なことを喋って、深夜 1 時半頃にお開き。私の滞在する部屋とEのコンドミニアムは近所なので、一緒に歩いて帰る。こうしていると、日本での生活と同じような感じだが、それは BGC が特別なのだということを忘れてはいけない。

パエリア、咄嗟の英語

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フィリピン料理屋「ELIAS」

木曜日。フィリピンオフィスでの仕事にも慣れてきた感じがある。私がフィリピンに来たときから昨日までずっと休暇を取っていた、インフラ担当のAが休暇を終えて出勤してきたので、早速挨拶。なんでも、友人女性の結婚式に参加するために、シンガポールに行っていたらしい。それはまた随分と景気のいい話だと思ったら、その女性はそもそもシンガポールで働いているとのこと。確かに、英語の話せるフィリピン人にとって、いい仕事を求めて国外に出るというのは、そんなに高いハードルではないのかもしれない。これで、このオフィスで会っていないスタッフはゼロになった。Aには、このオフィスの情報セキュリティ系の実施状況を確認しなくてはいけなかったので、ある意味一番話したかった人物ではあるが、ようやくそれが叶った。

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豚肉の煮込みとエビの唐揚げ弁当、Mのふりかけ付き

今日の昼食は、いつものケータリング弁当屋で、豚肉を煮込んだものとエビの唐揚げ(竜田揚げかもしれない)を選んだ。110 ペソ(230 円)。陽気なMしか使わないというふりかけを拝借する。味も見栄えも、ふりかけが掛かっている方がずっといい。なお、ふりかけを掛けなくても、おかずの汁でお米を味付けすることができるので、そこまで味気ない食事になるわけではない。今日はエビの唐揚げを頼んだからか、ビニル袋に入った、少量の酢も渡された。自由に味付けて食べろと言うことらしい。確かに、エビの揚げ物によく合う。

一向に仕事は捗らないが、別にフィリピンでの生活のせいではない。Aさんの言葉の壁の問題もあるので、スマホ版の Google 翻訳を使って、リアルタイムに会話してみる実験をしてみたところ、相当高い精度で音声を認識し、認識した音声はかなり正確に翻訳されることが分かった。少なくとも、認識された音声が意図した通りかどうかは自分で確かめられるわけだから、かなり有用だろう。間に、私やMのような、プロではない通訳を挟むよりはずっといいような気もする。Aさんが参加する会議の際は、みんなにスマホに向かって喋ってもらい、スマホ画面はテレビに繋いで、Aさんはその画面と音声を参考に議事を把握するというやり方にしてはどうか、と提案しておく。Lightning と HDMI の変換アダプタがオフィスにないというので、これは買わないといけない。

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フィリピン風パエリアと、地ビールであるサン・ミゲル・ライト

夕食は、フィリピン料理屋「ELIAS」に行って、フィリピン風パエリアとサン・ミゲル・ライト。チャージ込で 594 ペソ(1,250 円)。例によってクーラーを浴びたくなかったので、一人ぽつんと外の席に座らせてもらう。店内の席は空きが目立っており、当然私だけだ。ところが、席に座っていると、店員が気を利かせて大型の扇風機のスイッチを入れ、私に向かって当ててくる。余計なお世話ではあるが、消してくれとも言わず、背中からの風を受け続ける。風が温いので、そこまで致命的ではない。運ばれてきたパエリアは、具だくさんでいかにも美味しそうだ。スキレットの料理が運ばれてくると、大体どの店でも「(スキレットが)熱いので気を付けて」と店員が言うのだが、私の方に英語を聞く準備ができていなくて何を言われたか分からず聞き返してしまう。今回もそうだった。そして、例によってレストランの料理は 1 人で食べることが想定されていない量で、私には拷問のように多い。だったらそういう店に行くなよ、という話だけれど…。美味しいから、時間をかけて頑張って完食する。げっぷ。

飲食店でも、コンビニでも、お金を渡すタイミングで店員が、受け取った金額を復唱する。それは日本でも同じなのだが、店員は容赦なく早口で喋るので、「何?」と反射的に聞き返してしまう。特に、こちらはまだペソ紙幣や硬貨に慣れておらず不安なので、何か不備でもあったのかとドキドキするのだ。そういえば、まだチップというものを払ったことがない。これまで生活してきた間にも、チップを払うべきタイミングはあったのかもしれない。知らないうちに「こいつチップ払わなかったよ」と思われているのかな。だったら悪いことをした。